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2011.06.01

入学から15年、「未来からの留学生」コンセプトを振り返る

SFCスピリッツ

入学から15年、「未来からの留学生」コンセプトを振り返る

西野秀明さん
ソニー株式会社
2000年環境情報学部卒業

1996年4月、共同購入のラップトップコンピュータを手に入れた10分後には、僕のコンピュータはWindows95からFreeBSDに先輩によって入れ替えられていました。総合政策で入学して文系の道を歩もうとしていた自分の前に、まったく違う世界が広がった瞬間です。それからの4年間、環境情報学部に転部し、専攻はおそらくコンピュータサイエンスといえる分野の研究を積み重ねました。

2011年4月、サンフランシスコ近郊でソニーのネットワークサービス事業に携わっています。肩書き上は戦略サービス企画Director。大半の仕事は東京にいる人たちとUSの開発をブリッジして「どうすればできるか」を考える仕事なのですが、実際のところはかなり細かく設計にも携わることもあります。

2011年、世の中は「スマートフォン」が大流行の時代、PCはiPadで置き換えられてしまうのかもという時代です。ずいぶんと世の中は変わりました。1996年、まだPHSがようやく流行り出したころ、「インターネットが世界を変える」なんて言葉がまだ有効な時代でした。

しかし、自分にとってのインターネット環境は2011年と1996年であまり変わった気がしません。なんとも意外なことに、昔の培った知識がまだまだ価値を持って仕事上も通用します。「SFCにいたころは確かに未来だったのかも」と思うと同時に「15年経って、インターネットも技術的には枯れてきたのかな」とも思う今日この頃です。

何事も社会で定着するのにはそれなりの時間がかかるものでしょう。SFCにいたころは「3ヶ月後に達成しなければやる意味ない」ぐらいのテンションで何事もやっていましたが、いまや「10年かけたプロダクトプランを」なんて言うぐらいの心境変化です。iPodが発売になってから爆発的ヒットを経てiPadにいたるまでも約10年。

総合政策とか環境情報とか「ぼやっとした(笑)」学部名だから、SFCって何でもできるんだと思います。今、自分がSFCの学生として戻るなら、何をするか?「EducationとかHealth Care」とかの領域ですかね。でも、やるならばその時代では「頭おかしいんじゃない」と人が思うぐらいにやりたいもんです。そうじゃなきゃ「未来」はそこにないから。

p.s. 「未来」って意外と、「いかれた」イメージのものです。2000年、入社直後の研修中にPowerPointでプレゼン資料を作っていた私を周りの人は気持ち悪がってました。まだまだプレゼンはOHP主流でしたので。さて、2011年にはそんなの当たり前ですけどね。

(掲載日:2011/06/01)