SFCスピリッツ
紙芝居屋さんとSFC
佐々木遊太さん
デジタルコンテンツ制作業、街頭紙芝居師
2005年環境情報学部卒業
テレビ番組のオープニングやミュージックビデオ等のデジタルコンテンツを個人で制作しています。その傍ら、紙芝居屋さんを街角の風景に戻すため、上野にある台東区立下町風俗資料館での定期実演、私が住んでいる国立市でのくにたち紙芝居等、街頭紙芝居の保存活動をしています。
さて、SFCと街頭紙芝居というと、なんとなく飛躍を感じるかもしれません。ですが、私にとっては必然的なことでした。
SFC4年生の時、歌舞伎町のサウナに泊まった私は、極道、路上生活者、子供といった様々な背景を持つ方々が一緒にテレビを見て、同じタイミングで笑う状況に居合わせました。SFCでメディアのことばかり考えていた私は、仮設的なメディアが生み出す共感の場に魅了されました。そして、卒業した年の秋祭、メディアセンター横の芝生で紙芝居が行われている様子を見て、自分はこれをやるのだろうなと感じ、街頭紙芝居の世界に誘われました。
昨秋からは、iPadとインターネットによる即席紙芝居というものを始めました。その場で撮った子供の写真や、子供の求めに応じて画像検索APIで取得した画像を、ウェブ上のテンプレートにはめ込み、即興で語りを付けるものです。
紙芝居屋さんの画というウェブアプリも始めました。手描きの1点もので、活用はおろか閲覧すら難しくなっている街頭紙芝居の画と、最盛期から続けているただ一人の紙芝居屋さんの語りを、無料で配信する試みです。
昼は友人のディレクトリをあさって遊び、夜はワークステーション、VX2000と川の字になって寝る。研究室のスピーカーにつないだエレキギターで爆音を鳴らしながら、夜な夜なハンダ付けをする。デジタルとアナログの云々ではなく、デジタル情報と日々の営みが分け隔てなく在る環境でメディアのことを考えていた4年間が、紙芝居屋さんとしての選択肢を増やしていることは明らかです。
是非見に来て下さいね!
ささき製作所:http://www.sasaki-sasaki.com/
(掲載日:2011/05/09)