SFCスピリッツ
個人プロジェクト〜命に優しい社会環境づくり〜
三浦嘉門さん
NPO法人メタセコイアの森の仲間たち 設立代表者
有限会社郡上八幡自然園 取締役
1994年環境情報学部
私は今、妻とともに1歳、2歳、7歳の子育ての真っ只中です。正直、ビジネスよりも主夫しています!
私の父は半世紀前に、祖父が一から集めた土地に教育キャンプ場を創設しました。(祖父は戦中、村長をしていたため敗戦により公職追放をうけ、不在地主となっていた土地などほとんどの財産を失ったのでした。)
今はお陰様で年間90校を超える小中学校団体にご利用いただけるなど、民間のキャンプ場としては少々珍しい経営です。
(国公立の青少年自然の家など多くの税金、各種補助金を投入されながら、なお赤字経営をされているのとは対照的かも・・)
私は卒業後の数年、大阪・東京で環境コンサルタントとして環境分野の公的工事の立案計画に携わってきました。
その中で、官僚天下りシステムが支配する言わば「民間人では、生涯うだつの上がらない」業界・・日本の土建産業構造に限界を感じていたことと、父の病が心配なこともあり、いずれ長男として田舎に帰るのであれば、この機会にと田舎(郡上八幡)に帰ったのでした。10年前です。
かねて、日本の公共工事のシステム的欠陥(理念・センス不在)に疑念を感じていた私は、キャンプ場を訪れる小中学校の子どもたちを見ているうちに、子どもたちが自分で体験して得る「自然観」を身に付けてもらえる機会になればと考えました。自然体験で「自然と繋がる経験」をすることにより、自分で「思想」を得、少しずつ何かを変えていってもらいたい、という願いからです。
そこで当時この地域としては初のNPO法人を立上げました。
幸い積極的なボランティアに多く恵まれ、5年目からは黒字となり、7年目でようやくシステム的に安定し、優秀なスタッフも定着してもらえるようになったため、私は安心して代表を後任にお願いすることができました。
今では、毎年1万8千人を超える子どもたちが、このプログラムを体験します。自然の中で遊び、繋がり、そして地球生命体の一粒として生きている「自分」を、頭ではなく経験を通じた心「直感」でわかってもらえれば・・
私は 自分の人生プロジェクト 特定非営利活動個人(笑)として これからも 『命に優しい社会環境作り』をしていきたいと思います。末っ子が保育園に通えるようになったら、またバリバリ 日本のシステム改革(地方から)に復帰予定です。また皆さんどうぞ繋がり合って、よろしくお願いいたします。
野外学習施設 郡上八幡自然園
http://www.shizenen.com
NPO法人メタセコイアの森の仲間たち
http://www.metamori.org
(掲載日:2009/01/14)