SFCスピリッツ
自動車で社会を変える仕事
小坂幸太郎さん
三菱商事株式会社自動車事業本部所属、三菱オートリース株式会社出向中(営業推進部)
2000年環境情報学部
小坂 幸太郎と申します。
慶應大学卒業後三菱商事株式会社に入社し、07年10月より三菱商事と三菱UFJリースが共同で出資している三菱オートリース株式会社(MAL)へ出向しています。MAL本社は慶應三田校舎付近でJR田町駅前の田町センタービル内にあります。
私が現在お世話になっているMALは09年2月よりセントラルオートリースとの統合を果たした三菱グループを代表する法人専門のオートリースを主体とした自動車総合管理会社です。三菱と名がついておりますが、MALはどのメーカーのブランドも取り扱うことのできるマルチブランドの車の取り扱いが可能で、親会社の三菱商事と三菱UFJリースとの協業を通じて新規ビジネス創出への取組も行っています。
仕事の価値観は関っている業種によって千差万別であると思いますが、私は三菱商事に入社して以来、商社という仕事をメーカーとお客様との間に入って金融(Finance)、情報(Information)、物流・サービス(Logistics)、マーケティング(Marketing)を駆使しお客様に付加価値を提供することと定義しています。現在出向中のMALにおいても、こうした価値観を大切にしながら仕事をしています。
従って私は一つの事に優れていることよりも、複数の分野における総合力を発揮してパッケージで考えることを優先しています。これをMALでの仕事に置き換えると、既存の金融事業のみでは「安ければ良い」という価格競争に巻き込まれてしまうところを、メンテナンス/保険/運行管理等の他事業とのシナジー効果を発揮させ、顧客別にカスタマイズ(マーケティング)して、顧客ニーズに即した情報をパッケージで提供する体制構築について考えるという事になります。
MALでは会社全体の活力を発揮する為に、毎日部門間で活発な議論が交わされています。自分とは異質な存在の人と接することでお互いが見えなかった側面がみえてくるという事は多々有ります。私はSFC学生時代によくグループワークを行いましたが、この経験は社会人になってからも生きてきます。社会人になったら、自分が知らない専門分野のエキスパートの人達から様々な知見を拝借し、自ら仮説を持ってそうした知見を一つの方向に導いていかねばなりません。それが付加価値を生み出す原動力になります。
商社であるとか、オートリースであるとか業種を問わず、こうした能力は社会で生きていく為に必要であると思います。SFCの学生の皆さんは在学中に、なるべく学内外の異質な人達に触れて議論を重ねて「自分としての付加価値は何か」を考えるトレーニングを積んで頂ければと思います。
※写真は同じMALの塾員の大先輩である上野副社長(中央)と岩下本部長(右側)です。
(掲載日:2009/02/06)