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2010.02.26

どこかで頑張っている社会起業家たちとともに

SFCスピリッツ

どこかで頑張っている社会起業家たちとともに

SFCスピリッツ_佐々木健介さん佐々木健介さん
NPO法人ETIC. インキュベーション事業部マネジャー
2001年総合政策学部卒業

私は現在、NPO法人ETIC. (http://www.etic.or.jp/)で、社会的課題を事業で解決しようとする起業家の支援をしています。

発達障害のこどもの教育プログラムの展開、健診弱者に対するワンコイン健診の仕組み化、耕作放棄地を運用する貸し農園サービス、教育の貧困を失くす学習ボランティアを広げるムーブメント、バングラデシュでの下着ビジネスによる女性支援、主婦の力による手作り食事サービス、アーティストへの法律支援プラットフォームづくりなどなど。

「なぜ世の中こんなことが起きるんだろう?」
「新しい仕組みで解決できることがあるんじゃないか?」

素朴に、純粋に、感じたことに高い当事者意識を持ち、誰に言われたわけでもなく、運命的な生い立ちがあるわけでもないけれど、大真面目に、仕組みの変革、新たなサービスの提案を、仕掛けていく。

そんな起業家的な人たちに魅了され、どのようにインパクトを広げていくのか、大きく人や組織を巻き込んでいくためにどうすればよいか、一緒になって格闘している、そんな毎日です。

社会イノベーション、社会起業家、CSRなどのキーワードで語られるこの分野ですが、今、社会的な大きな変化の流れの中にあります。

ウォルマートに代表される経営戦略としてのコーズマーケティング強化の流れ、Twitterなどのソーシャルメディアの普及によるコラボレーションの一般化、kivaなど通じたドネーション市場のグローバル化。こと、日本においても、地域再生の担い手としてのソーシャルビジネス支援の行政施策の増加、コストセンターだった社会貢献部門の質的変換を図ろうとする大企業の動き、社会起業家的な生き方に強く憧れる学生たちの爆発的増加など。

そんな中、大企業とスタートアップの社会起業家のコーディネート、若者たちとソーシャルビジネスとのマッチングなど、社会イノベーションへのアクションが加速する社会のインフラをつくるべく、ベンチャー企業、大企業社会貢献部門、地域行政など巻き込んだコラボレーションプラットフォームづくりを進めています。

「 社会を憂い、論じることはいくらでもできる、
渦中に身を投じ、自ら、変化を生み出す力になることが、
わたしたちに課された役割だ。」

ということが、私がSFCでもらった大切な考え方であり、生き方です。

しかも、それは昔キャンパスでもらった懐かしい考え方では決してなく、社会の先端の様々な分野で、今、リスクを取り新しい価値を提案し続ける仲間たち、先輩たち、先生たちによって、文字通り体現され、日々、インスパイアされ、勇気付けられてます。

卒業後10年、結婚して齢30を超え、いわゆる「分別ある大人」になりつつある今もなお、青臭いことに胸を熱くし、毎日挑戦を続けられていることをほんとうに幸せに感じています。

そんな今を与えてくれたSFCに感謝し、これからも、新しい社会づくりにエネルギーを傾けていけたらと思っています。

みなさん一緒に、おもしろい仕事しましょう。

NPO法人ETIC. :http://www.etic.or.jp/
イノベーショングラント:http://www.i-grant.jp/

(掲載日:2010/02/26)