SFCスピリッツ
アメリカでNurse Practitionerを目指す
内田茉友子さん
Yale University School of Nursing, Gerontological Nurse Practitioner Specialty
2007年看護医療学部
日本で看護師として働いた後、私は現在アメリカ・コネチカット州にあるYale UniversityでNurse Practitioner(NP・ナースプラクティショナー)を目指しています。NPとは医療・保健サービスを必要とする人々にプライマリケアを提供する専門看護師です。NPは地域クリニックや病院の各部署(救急部やICU)などで医師と連携を図りながらも医師からは独立し患者さんを観察、診察し、必要な検査を実施しています。州によっては薬物の処方を含めた治療も行っています。現在NPは日本の厚生労働省から認可はされていませんが、今後、医師不足や医療の高度化、地域格差の問題を含め、例え同じNPという名称が使われないとしてもその役割はこの先、日本の看護の発展につながるのではないかと思います。
私が2008年の夏から通っているプログラムでは修士課程を通してNPの資格が取得できます。私の専門分野のgerontology(ジェロントロジー、老年学)は授業や病院、老人ホームでの実習を重ね、異なる人種、文化背景の高齢患者さんとその家族を対象としています。まだ入学して日が浅いため、あまり語ることはできませんが、私はここにきて改めて看護の奥深さと魅力、またその新たな可能性を感じています。もともと父の転勤で3歳からSFCへ入学するまでの間、アメリカで生活をしてきた私にとって再び看護師の免許を受け直し、外国人を対象に働いていくことにあまり迷いはありませんでした。むしろSFCへ入学する際、初めて日本で生活を始めた時の方が怖かったことを今でも覚えています。
よく「何故、看護師になろうと思ったの?」と聞かれることがあります。その答えは何よりも人のために自分を役立たせたいという思いからきています。看護医療学部はそんな私の看護に対するパッションの原点です。まだまだ未熟ですがこの先も常に「Better health care forall」という概念をもとに一人でも多くの患者さんと家族の力になれるよう、そしていつか日本の看護の発展に貢献できるよう努力していきたいと強く思います。
(掲載日:2008/11/26)