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2008.01.30

ユーザインタフェースは企業マネジメントそのものである

SFCスピリッツ

ユーザインタフェースは企業マネジメントそのものである

伊賀聡一郎さん伊賀聡一郎さん
株式会社リコー 研究開発本部
オフィスシステム開発センター、シニアスペシャリスト
1994年環境情報学部、1996年政策・メディア研究科修士課程、
1999年政策・メディア研究科後期博士課程

私は現在、株式会社リコーにて技術戦略の策定や新たな技術の研究開発に携わっています。リコーは、コピー機やデジタルカメラなど画像機器とその周辺サービスを生業とするメーカーです。私はSFCの大学・大学院時代、実世界指向インタフェースや身体的インタフェースなど、人とコンピュータの新しいインタラクションを創出するユーザインタフェースを研究していました。この分野は理論の追求を目的とする基礎研究というよりも、ユーザや利用シナリオなど具体的な課題を想定して解決する応用研究、すなわち「実学」に分類されると思います。そのような実学的な研究を実践する意味合いからも企業研究所にて研究活動を進めています。

メーカーのコアは技術です。しかし、その技術のメリットを社会に最適な形で還元するには「ユーザ〜お客様」のためのモノ作りとモノを売るシステムが求められます。そして、メーカーの技術のスタートポイントである「研究」にこそ、ユーザ起点の実学「ユーザインタフェース」の効力が最も必要になると信じています。

「ユーザインタフェースは企業マネジメントそのものである」

研究からスタートするユーザインタフェースのユーザ起点発想を、モノ作りからサービスまで一環してマネジメントできるものにしていきたいと考えています。これからも多くの方々の力をお借りしながら、慶應義塾大学で培った専門性を起点として、異分野の方法論を取り込みながらより幅広い活動をしていければと思います。

株式会社リコー
http://www.ricoh.co.jp/

(掲載日:2008/01/30)