SFCスピリッツ
”SFC”は人生のキーワード
小林正忠さん
楽天株式会社 取締役執行役員
1994年総合政策学部卒業
大学5年生(この場合、大学院初年度は学部の延長線という意味)になるのが嫌で、「社会人になって問題意識をもってから大学院に戻ってこよう」と考え SFCを卒業。研究会で奥出直人先生の下「マルチメディア」、井下理先生の下「マーケティング」を専攻していたこともあり、両方を活かせる大日本印刷株式会社の企画制作部門へ入社。ホテルのオープニングや雑誌の創刊時のセールスプロモーションなどを担当し、その後も新規事業開発など会社内の新しい部署をいくつか経験することができた。
25歳の秋、SFC2期生の本城慎之介君経由で三木谷浩史氏に出会い、1期生の杉原章郎君と共に楽天の創業に参画。当時、いずれは自ら起業しようと考え、 1期生の重近範行君が起業した会社で財務経理等を勉強するつもりで世話になっていたが、三木谷氏をはじめ創業メンバーらと「世の中を元気にしよう」という思いが高まり、97年2月に(株)エム・ディー・エム(楽天の前身)を創業。その後、寝食を忘れる勢いで営業・企画・制作・広報など、何でも自分達でやり遂げ、SFCで得たITリテラシーやバランス感覚が十分に活かされた。事業拡大時も、SFC仲間が次々と加わってくれ、社員6名から12名に増えた時も、創業時と変わらず半数がSFC出身。高い志を共有できる気心知れた仲間がいたことも、ここまで来れた1つの理由だと考えている。
今は、楽天のEC事業の役員として営業最前線で若手とともに寝食を忘れる生活を続けている傍ら、自分を育ててくれたSFCに対して「正忠奨学金」を設け、 SFC生との接点も持たせてもらっている。1期生の高橋寿佳君のようにSFCを創っていく行動力のあるような学生を、今後も支援していきたいと考えている。新卒面接をしていても、SFC生というだけで力が入る。いつまでもSFCと共に生きたい、そう願っている。
(掲載日:2006/03/16)