SFCの現場
玉村雅敏研究会
研究領域キーワード
ソーシャルマーケティング、ソーシャルイノベーション、コミュニティ論
井口さんは研究会でどのような研究をしているのですか?
「日本三大ドヤ街」のうちの1つである、横浜市寿町を対象地域として、「近年見られるこの町の変化はどのようにして起こっているのか」という現象を明らかにしたいと考えています。変化とは、建物や外部環境といったハード面だけでなく、人の意識や行動、自生された規範などソフト面にも表れています。私は、これらソフト面での変化を起こす要因として、「モノ」ではなく「コト」に注目しています。出来るだけたくさんの「コト」を集め、それらの関係性を通時的に捉えようと試みています。
研究会の一日を教えてください。
16:30から始まり、通常21:00に終わります。週1冊ペースでの輪読のチーム発表⇒個人(orチーム)研究の発表が主な流れです。また、月に1回ほど、ソーシャルイノベーションに関連する他研究会(金子研・井上研)との合同セッションを行っています。その他に、毎期の研究合宿を初めとして、学生主催の勉強会や各種イベントを随時開催しています。
これらは全て、「研究会は自分達で創っていくもの」というスタンスを、先生・学生間で共有していることから生まれています。
2008年秋合宿初日、静岡県の手打ちそば屋体験工房にて
玉村さんはどのような方ですか?
たまさん(玉村研では、各人をあだ名で呼ぶことが定着化しています)は、まさに福澤先生がおっしゃる「半学半教」の実践者です。学生の発表に対して教師の考えを押し付けず、学生のやりたい研究を最大限に尊重してくれます。たま研では、まさに、教師と学生がともに創造の場を創ろうとする気概に満ちています。そのぶん、研究に対してはとてもストイックです。あと、いつもにこにこしています。
研究会ならではのキーワードはありますか?
「じゃあその事例100コ集めてみてね。」
普段はとても温厚な先生ですが、学生がリサーチの段階で中途半端なあきらめや投げ出しをすると、すかさずこの言葉が飛んできます。曰く、「研究に効率性を求めるな!」とのことで、学生にしか出来ない、足で稼ぐ研究を大事にすることが求められます。数を出して考えてみることで、そこから何か新しい発見や気づきが生まれるのです。ちなみに私が所属していたチーム研究では、700コ以上事例を集めました…。
リポーター
井口和宏さん 総合政策学部4年
(掲載日:2009/01/20)
→アーカイブ