研究領域キーワード
ミクロ経済学 教育経済学 計量経済学 教育政策
どのような研究をしているのですか?
中室研では教育を経済学的視点から分析する「教育経済学」を専門に研究をしています。ここでいう経済学的視点というのは、教育の効用を最大化することや、そのための分析に経済学で用いられる方法を使うなど、ごく簡単なものです。その中で私たちは特に現在行われている教育政策がどのような効果をもたらしているのか?それが本当に最善の政策であるのか?といったことを分析します。
具体的なトピックとしては
(1)「学校外教育バウチャー」は子供の学力の格差解消に役立つか。(教育バウチャーの効果測定)
(2)親が裕福だと、子供の成績がいいというのは本当か。(教育を通じた社会階層の世代間連鎖の問題)
(3)奨学金は進学率を上昇させるのか。(奨学金の効果測定と制度設計)などがあります。
気になった方は研究会HPも見て頂けると嬉しいです。
研究室の一日を教えてください。
私たちの研究会は毎週木曜日4.5限に活動しています。
内容は毎回異なっているのですが、教育経済学の論文や実際の教育政策について全員でのディスカッションや、先生によるデータの扱い方や細かい分析の方法の講義、そして各個人研究の発表とそれについてのディスカッションが多いです。
この他にも輪読や学生同士による統計ソフトの使い方勉強会などを行っています。
また、先生の方針で毎週研究会の初めに英語のテストがあります。これは単語やリスニング、リーディングなのですが個人研究の中間発表日などでも免除されません。笑
先生はどんな方ですか?
ものすごく明るく、元気な先生です!
日本における数少ない教育経済学の専門家ということもあり、今年だけでも大量の論文を書き、毎日様々なところで研究活動を行われています。が、そのようなお忙しい中でも私たち研究会の学生のことをいつも気にかけてくださっており、個人研究の相談などをするとすぐに、ものすごく親身なお返事をくださいます!また個人研究の最終発表などで頂くコメントは基本痛快!学生にも研究には妥協させない先生でもあります。
研究会では、私たちの意見にものすごく敏感に反応してくださり、少しでも面白いと思った話があるとすぐにそれを広げて他のアイデアと結びつけようとしてくれます。ですがお茶目な部分も多く、私たちがツッコミを入れることもあります。笑
そんな先生ですが、何よりそのキャリアが非常に独特で、日本銀行や世界銀行で勤務されたいたこともあり、その経験談にはいつも驚かされます。また、時々話される竹中研での学生時代の話などもとても面白いです!
研究会の学生もみな先生が大好きでそして尊敬しています!
研究室ならではのキーワードはありますか?
研究会で用いる経済学の用語や、分析の心得などが私たちの中には染み付いてきていると思います。その中でも特に大事にしているのが「エビデンスベースト」の考え方です。
先生は日本の教育政策が科学的根拠、エビデンスに基づいたものになっていないことに対し、一番の問題意識を持っていらっしゃいます。私たち学生はその精神を間近で見て、実際に日本で行われている政策に根拠があるのか、様々な疑問を抱くようになりました。この考えは今後もずっとこの私たちの基礎になっていくと思います。
また、よく用いられる言葉として「バイアス」があります。これは本来分析結果に存在する偏りのことを指すのですが、「その発言女性バイアスがかかっているよね?」といったように日常会話で使われます。笑
この他にも「ランダム化」や「鶏と卵の関係」といったたくさんの中室研キーワードがあります!
リポーター 田端 紳さん (総合政策学部 2年)