勝田孝信さん
慶應義塾大学病院 看護師
2008年 看護医療学部卒業
皆様はシミュレーション医療教育という言葉を聞くと何を想像するでしょうか。 私が働いている医学部、東校舎1階にあるクリニカル・シミュレーションラボには、様々な高度な機械が置いてあり、まさしく「ハイテク」という言葉に相応しい物が沢山ある一方で、「アナログ」な面も沢山あります。あくまでも「どのような機械があるか」ではなく、「どのようにその機械を使うか」が如何に大事かを私は日々感じています。
クリニカル・シミュレーションラボとは
クリニカル・シミュレーションラボは2003年8月に設立され、私は2012年からここの管理人として働かせて頂いています。ここでは医療に関する様々な技術を習得できます。利用者は医学部の学生を中心に、看護師、研修医、医療事務、助手、クラークと多岐に渡り、心臓マッサージの技術の習得といった心肺蘇生法講習会もここの活動の一部となっています。
縫合の仕方、超音波の使い方、静脈注射の練習などの授業、講習会が行われる中で、私の役割を一言で言えば、「授業や講習が行える環境を整える」ことです。より具体的には、授業や講習会の日程調整、準備、そして授業のサポート、インストラクターが主な業務となります。
業務の中で私が気をつけている事は、ただ授業や講習ができるように準備するだけでなく、「より講習をしやすい環境を整える」という事です。具体的には、実際の現場で人に静脈注射を行う場合、注射器で採血を行うだけはありません。安全に行うために、ただ単に血液を注射器に入れる技術だけでなくそこにいたるまでの手順や流れが必要になります。そこで、その技術や一連の流れ、その雰囲気を体感しながら学べるような環境を作ることが私の役割になります。たった一体の人形でも様々な使用方法があり、物をどのように使うかが大事になります。この医療シミュレーション教育という分野はこれから発展していく分野であり、色々な所で活用できる分野です。これからより良いシミュレーション教育を目指して、努力していきたいと思います。