研究領域キーワード
情報教育 / 情報モラル / 情報リテラシー / サイバー犯罪 / サイバー防犯ボランティア活動 / 警察行政 / 教育行政 / デジタル・ディバイド
どのような研究をしているのですか?
岡部研究会では、独自のサイバー(ネット)防犯ボランティア活動を行っています。具体的には、小学校・中学校・高等学校にて児童・生徒・保護者向けに、スマホやネットの使い方についてのワークショップ(授業)を実施しています。より多くの学校でネットモラル・ネットリテラシーを啓発できるように、方法論や啓発内容を研究・開発・改良しています。
サイバー防犯ボランティア活動は2013年より継続しており、通算2810名を対象に実施してきました。このたび、その活動が評価され、第31回東京キワニスクラブ青少年教育賞で優秀賞を受賞しました。
研究室の一日を教えてください。
研究会の一日は「10分共有」から始まります。これは、最新のネットサービスやネットを起因とした犯罪について担当者がリサーチし、まとめ共有するものです。サイバー(ネット)犯罪と言っても、30名それぞれが取り上げる事件や視点は異なります。サイバー犯罪に関する幅広い知識が身につくと同時に、現役警察官僚である岡部先生のご指導により、さらに理解を深めることができます。
10分共有の後、学校でのワークショップのための準備を行います。担当チーム毎に分かれ、準備作業を行います。小中高校生にわかりやすく伝えるために発表スライドや発表内容に改良に改良を重ねていきます。
2015年度秋学期からは、次の3つの活動を行います。
1.学校での授業の実施
2.チームに分かれての輪読:警察行政、ネット犯罪、情報教育についての知識を深めます
3.個人による発表:現在、流行しているネットサービスや事件の原因などを解説し、共有する
この研究会の特徴は実践活動にあります。教室での活動を通して日頃学び得た知識や経験を学校での授業でアウトプットし社会へ還元します。
先生はどんな方ですか?
岡部正勝教授は、今春より警察庁から出向されている先生で、研究会の懇親会でも誰とでも分け隔て無く、和気あいあい楽しく交流して下さいます。
学生の頃の話やご自身の経験に基づき、生徒の相談にも親身になって乗ってくださるとても優しい先生です。
研究室ならではのキーワードはありますか?
SFCの理念でもありますが、まさに、この研究会は実践を通して、理論を形成し、また実践を行って評価する、というような「理論と実践」が組み合わさる場所を目指しています。情報モラル・リテラシーの分野はまだまだ未開拓なため、先行研究が少ないですが、その分、実践知をベースとした研究活動を大切に、社会へ貢献していきます。
リポーター 伊谷陽祐さん (総合政策学部 4年)