2020.07.22 / Marketing, Data Science
桑原武夫研究会
SFCにおける活動の中心は「研究会」。教員と学生が共に考えながら先端的な研究活動を行っており、学生は実社会の問題に取り組むことによって高度な専門性を身につけます。
桑原武夫研究会の特色
とにかく学生主体の研究会です。
講義のコンテンツは学生が用意します。学生から依頼されて講義するときもあれば、学生同士で授業をしているときもありますね。教員はあくまで機会やデータを提供し、彼らの学びをサポートしているだけです。
研究内容も、学生の興味・関心で自由に決めてもらいます。桑原研究会には、企業や組織と連携した代々続いているプロジェクトと、興味に沿って学生が自ら立ち上げたプロジェクトが複数あります。マーケティング初心者の間は先輩のチームに所属して学び、最終的には自分のテーマを設定し卒業プロジェクトを完成させます。
また、普段の研究とは別に、桑原研独自のビジネスコンテストを開催しています。実際の企業と提携して企業からテーマをご提供いただき、普段の研究とは別のメンバー編成で取り組んでいます。
その際、一人ではなくチームで研究し、ディスカッションすることに重きを置いています。他者との関わりによって「イノベーション」を生むことのパワーを学生に伝えたい。「イノベーション」は「コラボレーション」から生まれることが多々あります。他の研究会にも積極的に参加して、どんどん情報やアイデアをアップデートして欲しいと思っています。
ユニークな研究や学生の例
「コラボレーション」を実現させている例として、ある卒業生二人が挙げられます。
在学当時から、二人は修士論文の執筆で協力していましたが、卒業後も会社員をしながら一緒にブランドに関する本の連載や出版をするなど、ずっと関係性が続いているようです。現在もこのような活動を通して、新しいブランドのありようを提示しています。彼らの例は非常にコラボレーティブで、「チーム」の重要性をまさに体現しています。
5年間企業に勤め、6年目に起業したある卒業生は、私が「エンターテイメントマーケティング」に取り組みたいと思い立ち、声をかけたときに集まってくれた一人で、色々な分野との共同研究の実現に寄与してくれています。
研究分野におけるホットなニュース・話題との関連性
私は社会の変化をマーケティングの観点から長期的に捉えたいと思っています。
2000年代だと例えばリーマンショックや東日本大震災、新型コロナウイルスの流行がありました。コロナは人々の消費生活を変えたと言われていますが、そうではないということをデータで示したい。ラグジュアリーブランドへの需要が縮小し、デジタルマーケティングの台頭によって広告のあり方が変わった。この変化はコロナの前から既に始まっていて、コロナを機に拍車がかかっただけです。
テクノロジーの発展やデジタル化により防衛レベルは上がっているものの、次のステップ、つまりパラダイムシフトに踏み出せないことが何よりの危機だと認識すべきです。そのためには変化を見極め、早い段階での大きなイノベーションが求められます。私はその「変化」をマーケティングによって客観的に証明したいと考えています。
進路
広告代理店、メーカー、コンサル、IT、ベンチャー、その他の業界に進む人あり、多種多様だと思います。
桑原武夫研究会の魅力
雰囲気や特徴
ビジネス系の研究会で、体育会生やサークル活動に熱心に取り組む学生、学外で長期のインターンをしている学生もいます。そういう意味では、様々な属性の学生がお互いの知識と経験を生かし、研究会を盛り上げていると思います。
忙しさは人によります。日本科学未来館やSFC事務室の広報担当と連携しているプロジェクトチームは忙しいですし、熱量のあるチームは、毎週何かしらタスクが生まれています。また、先輩が後輩を育て、先輩も後輩に学ぶという雰囲気がありますね。
2019年度桑原武夫研究会ゼミ長
永瀬裕登さん
得られるスキル、入ってよかったと思う瞬間
R、もしくは Pythonなどのプログラミング言語を用いてデータ分析力が身に付きます。
プレゼンテーションを行う機会が多いので人前で話すスキルは必然的に鍛えられました。
学年が上がるにつれ、データ分析をした結果をスライド構成で相手にどう分かりやすく見せるか、いかに論理的にわかりやすく伝えるかという表現力もつきました。
マーケティングの知識が少ない新規生もいますが、4P・3Cといったマーケティングのフレームワークを理解する力は、研究会の講義や書籍を通じてすぐに身に付くと思います。マーケティングに興味があれば、是非門を叩いていただきたい研究会です。
研究会分析シート
メッセージ
「SFCに来るのか、SFC以外に行くのか」
国内の大学に進学するのであれば、この2つしかありません。それぐらいSFCは特異な存在です。確立されたカリキュラムの中で学ぶことに満足できるのであれば、普通の大学を選べば良いと思います。
SFCには先端的な研究が幅広くフラットに散らばっていて、普段の授業でも、教員だけでなくゲストスピーカーのような形で様々な分野のプロフェッショナルから学ぶ機会も豊富にあります。自ら選び、自分にしかない気付き・イノベーションを獲得することを楽しめる人には是非、SFCに来て欲しいです。(桑原武夫教授)
「もう一度高校生に戻っても、迷わずSFCを受験する。」
そう言い切れるほど、SFCという学び舎には豊富な経験と知識を身に付けることができる環境が整っています。それは教授陣はもちろんのこと、実践的な講義、最先端の設備、そしてなによりも社会をアップデートし、より良い未来を創造するという高い志を持った「未来からの留学生たち」が集まっているからです。
素晴らしい環境があるからこそ、貪欲に成長したいという意志を持って自発的に学び続ける姿勢と気概が試される場所でもあります。好奇心旺盛で何事にもワクワクしながら挑戦できる人にとってぴったりなのがSFCです。(総合政策学部4年永瀬裕登さん)
取材・制作協力:桑原武夫研究会PR班