一石三鳥の自由な学びで、発展する祖国との架け橋に
サウジアラビアでは欧米の文化が身近です。よりクリエイティブなことに挑戦したいという思いから、留学先に日本を選びました。国費留学生の第1期生にあたるため、先輩のアドバイスも得られない状態からの出発でした。
江戸時代に鎖国をしていた日本は、明治維新を機に外国から多くの知恵を借りて発展してきました。当時の岩倉使節団や御雇外国人は、世界中に15万人以上の国費留学生を派遣している現在のサウジアラビアにも重なります。
大学院に政策・メディア研究科を選んだのは、フレキシブルな学びの環境があったから。修士課程では「社会イノベータコース」のサーティフィケートも取得し、飯盛義徳先生と出会って「老舗」の研究を始めました。もともと関心が高かったデザインやブランディングについても知見を深めることができ、こんな「一石三鳥」ができるのも多様性を重んじるSFCならではです。
オープンマインドな教授陣が、答えのないアクティブラーニングを支援してくれます
日本は多くの老舗企業がファミリービジネスを承継してイノベーションを継続させている「長寿企業大国」。これから"脱石油"を目指す母国サウジアラビア経済の参考にもなります。日本的経営をテーマにした論文は、アラビア語でサウジアラビアの文化誌にも掲載されました。今後も自分の学びを活かして両国の知識経済に貢献したいと願っています。
自分から動き出したときに、たくさんの支援が得られるのがSFCの魅力。オープンマインドな先生方は、学生の自主性を尊重して答えのないアクティブラーニングを後押ししてくれました。このような環境で、社会に貢献できる研究を継続できたことに満足しています。
研究室紹介
キーワード:プラットフォームデザイン、地域イノベーション、ファミリービジネス
研究内容:各地での実践を通じて、地域における効果的なプラットフォーム設計の実践知の創造に挑んでいます。
プラットフォームとは、多様な主体の相互作用によって社会的創発をもたらす基盤、仕組みをいいます。このプラットフォームをどのように設計すれば、いろいろな人たちの協働が実現して、新しい活動や価値が創出されるのか、アクションリサーチ(Action Research)を通じて具体的方策を明らかにしています。