日本人としての自分を探して見つけた
コミュニケーションと言語教育の道
新居 加奈子 Kanako Arai
学部:総合政策学部2年
出身校:International School manila(フィリピン)
私は香港で生まれ、3年後シンガポールに引っ越し7年、その後バーレーンで4年過ごしました。海外ではずっとインター校に通っていましたが、中学2年の夏に帰国してから、中学卒業まで、初めて日本の教育を受けました。卒業後、フィリピンに移り、再びインター校に入り、卒業しました。このように私は、人生のほとんどを海外で過ごしてきたので、特に子供の頃は日本人としてのアイデンティティといったものが全くありませんでした。
しかし、中学時代に日本で暮らし、日本語が苦手でつらいこともあった反面、日本の風土や文化の素晴らしさを実感しました。そして、将来を考えたとき、やはり私は「日本人」として生きていきたいと強く思いました。そのためには、日本語の勉強と、自国の文化などの知識が必要だと痛感しました。
こうしたことから、日本の大学への進学を考え、SFCに入学しました。
海外大学との交流事業にも携わりながら
言語教育の更なる可能性を模索したい
SFCは、留学生や帰国生など学生のバックグラウンドが多彩で、インターナショナル・スクールのような、国際的で自由な雰囲気を強く感じます。小規模で気のおけない雰囲気のクラスがあったり、学ぶ上でグループワークが多いことなど、私がこれまで学んできた海外の学校と似たような感覚です。
SFCには「問題発見と解決」という理念があります。私自身、海外で長く暮らすなかで、貧富の差や宗教の問題などを目にし、問題を発見し、解決するということの難しさと重要性を強く感じてきました。
この理念を念頭に置き、現在は「日本語教育を通しての多文化コミュニケーション」をテーマに、研究を進めています。
その実践として、慶應義塾大学と東南アジアの大学が連携し人材を育成するEBAプログラムや、SFCで留学生や帰国生を対象にした日本語インテンシブの授業にSA(スチューデント・アシスタント)として参加。言語教育の経済的な側面や、心理学的な面についても、考察を深めていこうと思います。