「広く報せる」を、学びから仕事へ
佐藤 里咲 Risa Sato
学部:総合政策学部4年
出身校:玉川学園高等部
高校時代に始まるPRへの興味
私は高校の3年間、「企業研究」という自由研究活動で、学生の視点からスクールグッズを企画・販売していました。SNSを使ったPR方法を考えたり、校内イベントを活かして販売の機会を増やしたり、といった実践を通して、「企画した商品を広めていく面白さと難しさ」を学んだ貴重な体験でした。未熟ではありましたが、先生方や購買部とやりとりしながら学校と連携できたこと、学生の意見を聞きながらニーズに応えられたことは、何よりの成果だったと思います。
大学では、高校でやってきた活動に関連した分野を、より深く学問として追究したいと考えていました。SFCを選んだのは、PR戦略などを経営学の中だけではなく、さまざまな領域から学んでみたかったからです。例えば、デザインの領域。Webデザインの違いによる販促効果を、データサイエンスと組み合わせて分析していく。SFCならそのような学びに取り組めると考え、入学後はマーケティングコミュニケーションなどをテーマとする桑原武夫研究会に所属しました。
SFCの魅力を高校生に伝える学び
現在は、「自分の可能性を発掘できる学びの場」として、高校生へ向けたSFCのPR戦略を研究しています。特にオープンキャンパスは、実感の持てる活動の場です。コミュニケーションコーナーで高校生と実際に話をするのですが、彼らは「こういうことをやりたい」「進路を見つけられるか」といった思いをぶつけてくれます。とても前向きに、真摯に考えている姿勢に共感しながら、彼らの意欲を受け止め、不安を解消するためのPR戦略を練っているところです。
SFCの30周年へ向けて、大学と連携した企画もその一環です。例えば、オープンキャンパスのような限られた機会だけではなく、SFCと高校生の接点を増やす。大学生ともっとコミュニケーションを取れるようにして、高校生にリアルな学びの展望を描いてもらう。たくさんの研究会も巻き込みながら、その研究会の将来を担うような学生を発掘する。そのような企画を大学と一緒に具体的な活動にして、高校生一人ひとりが芯に持っていることを支援していきたいと思っています。
MOS世界学生大会への挑戦
一方で、MOS(マイクロソフト・オフィス・スペシャリスト)にチャレンジしたことも、忘れられない思い出です。MOSは、ワードやエクセルなどのスキルを証明する資格試験。私は小さい頃からパソコンが好きで、高校の頃にはドキュメントシートやプレゼンテーションシートを作っていたのですが、その実力を試すとともに、さらなるスキルアップを目指そうと思いました。最も得意だったワード部門に挑んで日本代表に選ばれ、大学1年のときには世界大会に出場することができました。
結果は、残念ながら第4位。判定のポイントは正確性とスピードで、入賞となる3位との差が誤差だということもあり、とても悔しかったです。しかしその悔しさは、その後の大学生活での積極的なチャレンジにつながったと思います。また、大会では世界各国の学生と交流する機会がありました。言葉の壁を越えて、「今こういうことを学んでいる」とか、「社会に出たらパートナーを組んで一緒に仕事をしよう」...といった話ができたことは私の宝物になっています。
新しい技術や可能性を伝える仕事
4月からはいよいよ社会人です。私は、まだあまり知れ渡っていない新しい技術や可能性を人々に伝えていく仕事がしたいという思いから、電気系のメーカーを就職先に選びました。技術や可能性を伝える役割は、広報だけではなく、営業などのさまざまな視点からでも果たせると思っています。IT系のスキルやPR活動で得た知識など、自分の強みを活かしていきたいと考えています。
これからSFCで学ぶみなさんには、自分ががんばってきたこと、興味や関心を大切にしてもらいたいです。興味や関心は文理を融合した学びでさらに広がりますし、そういう学びに取り組めるところがSFCの魅力でもあります。文系・理系、得意・不得意の枠にとらわれずに自分の可能性を広げていこう!そんなチャレンジ精神を持った人に、ぜひ来てほしいと思っています。