モノクロアートを通して、
子どもたちのクリエイティブの変化を解明したい。
初鹿 敏也 Toshiya Hatsushika
学部:総合政策学部3年
出身校:県立甲府南高等学校[山梨県]
入学年度:2011年
母親が書道家で、小さい頃からずっと水墨画を描いてきました。だから昔からカラフルな色とモノクロの違いをずっと意識して過ごしてきました。このテーマも、そこから生まれたものです。研究では、子どもたちに色を制限して、一度好きな絵を描いてもらいます。そして、次は好きな色を使って、同じ絵を描いてもらうと、色がなくても明らかに伝わる絵になってくるんです。この変化が面白いと思い、研究をしています。他にも、白黒の家紋に自由に塗り絵をしてもらった時は、子どもたちは僕の思いもよらない場所に色を塗るんです。それも10人中8人が全く同じ場所に。これは、子どもたちがそこに色を感じている証です。この実験から、白黒だけでも色を感じる絵が描けるという仮説を立てました。それが実現できれば、観る人が色を感じるモノクロアートが創れると考えています。
表現するときには何を作るかよりも、人にどう伝えるかが大切。
普段は映像制作の活動も行っています。今まで、さまざまなコンテストに応募してきました。東宝シネマズ学生映画祭 CM部門 グランプリ。「GATSBY学生CM大賞」ではマンダム賞、昨年には総務省主催ネット選挙映像コンペティションで総務大臣賞をいただきました。子供の頃に褒められた経験がなく、どうすれば自分が褒めてもらえるのかをずっと考えてきました。映像を作る際も同じです。自分自身、表現者と思ったことは一度もありません。なぜなら自分が表現したものに対する受け取り方や評価は、相手が決めることだと思っているからです。制作も、他の人と協力して行い、僕が考えた企画を伝え、それを受け取った意図で撮影してもらっています。そのほうが、客観性が入って想像以上の作品に仕上がるからです。ものを作って表現することは、何を作るかではなく、人にどう伝えるかが大事だと思います。そういったことを勉強できるベストな環境が、SFCにはあります。