慢性疾患の子どもたちが、いきいきと暮らせる社会に。
佐藤 優希 Yuki Sato
学部:総合政策学部3年
出身校:私立慶應義塾湘南藤沢高等部[神奈川県]
入学年度:2011年
慢性の病気をもつ子どもが、いきいきと過ごせるような環境づくりを研究しています。対象としているのは幼児期ではなく、15歳〜18歳の思春期の子どもたちです。病気を患いながらの生活は大変なこともありますが、それでも懸命に日々を暮らしている方はたくさんいます。今病気に苦しんでいる方が少しでも前向きになれたらいい。そんな願いから、病気を持ちながら前向きに生きる患者さんにどのようにして苦しい状態を脱したのか。周りにはどんな人がいて、何をしてくれたのか。そしてそれを経て自分自身がどう感じ、変わったのかを聞いて、病気を乗り越えるためのきっかけをまとめ、分析しています。実は10歳くらいの子どもを対象とした研究に比べて、15歳以上の思春期の子どもを対象とした研究が極めて少ない。そんな現状に疑問を持っていたことも、この研究テーマに取り組んだ要因のひとつです。
多くの人に自身の研究を知ってもらったことで、
ようやく手応えを感じてきました。
Open Research ForumというSFCでの研究の成果を発表する場で、研究発表した際には、小児科の先生が私の研究内容に共感してくださり、後日200人の医師が参加する学会で、私の研究を発表してくださいました。私自身は臨床ができませんが、多くの方に自分の研究が伝わり、現場の環境が少しずつ改善していくことを考えると、とてもやりがいを感じます。
一人で研究に取り組んでいると、「これをやって、果たしてどんな意味があるのだろう?」と、ふと不安になることもあるのですが、いろんな人に出会い、自身の研究がドクターや看護学生に広まっていくことで、少しずつですが手ごたえを感じてきました。
将来的には、医療、教育、福祉の分野において、子どもが健全に、豊かな環境の中で育つことが出来るような社会の仕組みづくりをしていきたい。この軸は変えずに、これからも研究に励んでいきます。