総合政策学部井庭崇研究室が、パターン・ランゲージを用いた新しいタイプのWebサービス「The 4th Place 〜自分をかたちづくる第四の場所〜」(http://www.the4thplace.jp)を開設します。
「The 4th Place 〜自分をかたちづくる第四の場所〜」(http://www.the4thplace.jp)は、身の回りの印象的な出来事やそのときの思いを写真と言葉で綴るためのWebサービスです。ユーザーは、「Generative Beauty Patterns」(ジェネレイティブ・ビューティー・パターン)*1のパターンにもとづいて、自分の経験を表現した「作品」をつくります。
つくった作品は、「ウォール」(Wall)に貼られていきます。ウォールでは、自分がつくった作品だけでなく、他の人がつくった作品を見ることもでき、それからインスピレーションを得て、関連した作品をつくることもできます。
作品をつくる際に参照するGenerative Beauty Patternsは、“いきいきと美しく生きる”ためのパターン・ランゲージ*2です。そのようなパターンにもとづいて “いきいきと美しく生きる”ことを実感し、その質感を自分なりに表現することは、“いきいきと美しく生きる”ことのセンス(感性)を磨くことにつながります。「The 4th Place」では、そのような「自分をかたちづくる場所」を提供します*3。
*1 Generative Beauty Patternsとは
「The 4th Place」で用いられるGenerative Beauty Patternsは、“いきいきと美しく生きる”ためのヒントを記述したパターン・ランゲージです。それは、直接的で具体的な「答え」を与えるのではなく、読む人ごとに自分の状況や個性を踏まえながら、自分なりの“いきいきと美しく生きる”術を考える支援をします。
*2 パターン・ランゲージとは
パターン・ランゲージは、よいデザインを生み出すための実践知を記述・共有する方法です。その方法の生みの親である建築家クリストファー・アレグザンダーは、町や建物に繰り返し現れる関係性を「パターン」と呼び、それを「ランゲージ」(言語)として共有する方法として考案しました。彼が目指したのは、誰もがデザインのプロセスに参加できる方法でした。その後、パターン・ランゲージの方法は、ソフトウェア開発や創造活動一般を支援する方法として広がってきました。
*3 「The 4th Place」(第四の場所)というコンセプトについて
新しいWebサービスをつくるにあたり、それに「The 4th Place」(第四の場所)という名をつけたのは、これまでとは異なる新しい「場」を提案するためです。
20年ほど前、社会学者のレイ・オルデンバーグは、「カフェ」や「バー」などの交流の場を「第三の場所」(サード・プレイス)と呼びました。家という「第一の場所」とも、学校・職場という「第二の場所」とも異なる、「第三の場所」としてカフェやバーなどの交流の場に注目しました。
たしかにこれらの場は大切なのですが、自分らしく生きるためには、家でもなく、学校・職場でもなく、交流のための場でもない、「自分をかたちづくる場所」が必要だと私たちは考え、それを「第四の場所」と位置づけました。忙しい日常から離れ、ひとりで過ごし、心で感じたことを大切にし、静かな時間が流れる「隠れ家」のような場所です。
●2013年11月22日(金)・23日(土・祝)に東京ミッドタウンで行われる「慶應義塾大学 SFC Open Research Forum (ORF) 」にて、本サービスをリアルに体験できるコーナーが設置されます(D12ブース「The 4th Place ~自分をかたちづくる第四の場所~」, Generative Beauty Project)。ORFについての詳細は、http://orf.sfc.keio.ac.jp/ をご覧ください。
井庭崇准教授のコメント
昨年のORF(オープン・リサーチ・フォーラム)で大好評だった『Generative Beauty Patterns』が、新しい仕組みとともに再びORFに登場します。どんどん流れていく忙しいタイムラインから離れ、静かにゆったりとした時間のなかで、最近の自分について考え、表現してみてほしいと思います。ぜひ試してみてください。