環境情報学部田中浩也准教授がかかわった「第1回ファブラボアジア会議」、同会議を共催したCOI-T「感性に基づく個別化循環型社会の創造」が2014年度グッドデザイン賞受賞
環境情報学部田中浩也准教ディレクターとしてかかわり、JICAの青年海外協力隊員である徳島泰氏が実行委員長となった「第1回ファブラボアジア会議」が2014年度グッドデザイン賞を受賞しました。
また、環境情報学部村井純教授が研究リーダー、田中浩也准教授がサテライトリーダーとして進めている研究プロジェクトで、「第1回ファブラボアジア会議」を共催したCOI-T「感性に基づく個別化循環型社会の創造」も同時にグッドデザイン賞を受賞しています。
グッドデザイン賞は、1957年に創設されたグッドデザイン商品選定制度を発端とする、日本で唯一の総合的なデザイン評価・推奨の運動です。これまで55年以上にわたって、デザインを通じて日本の産業や生活文化を向上させる運動として展開され、のべ受賞件数は39,000件以上にのぼります。今日では国内外の多くの企業や団体などが参加する世界的なデザイン賞です。グッドデザイン賞受賞のシンボルである「Gマーク」は、すぐれたデザインを示すシンボルマークとして広く親しまれています。
「第1回ファブラボアジア会議」についての田中准教授のコメント
JICAの青年海外協力隊員である徳島泰氏が実行委員長となり開催された「第1回ファブラボアジア会議」の企画が持ち上がったのは今年始めのことです。フィリピンのボホール島に初のFabLabを立ち上げたいという情熱を持ったボホール州立大学の教員と学生が、SFCまでお越しになりました。そして、FabLabの機材から運営のノウハウまでを、1週間かけて集中的に学んで帰られました。
その際に、FabLabを通じてまさに生まれつつある日本とフィリピンの関係を起点に、さらにアジアの国々に広く開いていくアクションを起こそうという趣旨でこの会が企画されました。
結果的に、会議にはアジア8カ国から200余名が参加し、フィリピンのアキノ大統領も視察に訪れ、今後の支援を約束してくださるなど、大変な盛会となりました。熱気あふれるその様子はこちらのビデオにまとまっています。
上記のようにして生まれた絆は、会議後もさっそく新たな展開を生み出し始めています。大学院政策・メディア研究科の小林博人研究会では、FabLabボホールと連携し、ベニヤ板を使った保育園を現地に建設しました。
https://www.facebook.com/bohol.veneer.project
SFCでは、今後もフィリピンと連携しての、リサイクルやリユースに関する研究プロジェクトが構想されています。インターネット、デジタルファブリケーション、ソーシャルデザインの3つを繋いで地球上のあらゆる問題を解決していくのはSFCの使命です。
これからも、フィリピンやアジア各地のFabLabとの連携をより進めていきたいと考えています。
COI-T「感性に基づく個別化循環型社会の創造」プロジェクトについて
COI-T「感性に基づく個別化循環型社会の創造」プロジェクトは、明治大学・慶應義塾大学・関西学院大学・山形大学の4大学が連携・推進する研究プロジェクトで、2013年度に文部科学省と科学技術振興機構の産学連携事業「革新的イノベーション創出プログラム(COI STREAM)」のトライアル拠点(COI-T)に採択されたものです。
万人向けに大量生産されたものをそのまま受け入れるだけの受動的消費社会ではなく、「自らが、欲しいものや必要なものを可視化し、デザインして作りだすことができる社会」の実現を目指して研究活動を推進しています。その結果、特に「高い技術力をもち日本をリードする大学や企業が連携して、高速3Dプリンタの開発や、創造性を拡大する情報共有基盤やインターフェースの研究など、今後著しい成長が期待されるビジネス領域の基盤づくりが行われているのは素晴らしい」として高く評価されました。
同プロジェクトは、今回の受賞を契機に、創造的生活者を中心としたモノの共創・流通・使用を可能にする社会の実現に向けて、基盤となる技術と社会制度の研究を推進する予定です
【プロジェクト概要】
プロジェクト名: 感性に基づく個別化循環型社会の創造
プロジェクトリーダー: 松原 健二((株)ロングフェロー代表取締役社長)
研究リーダー: 村井 純(慶應義塾大学環境情報学部長・教授)
運営リーダー :荒川 薫(明治大学総合数理学部教授)
プロジェクト紹介ページ http://www.fms.meiji.ac.jp/create/