環境情報学部 加藤文俊教授らがコミュニケーションの場を生み出す活動 “カレーキャラバン”で、2015年度グッドデザイン賞を受賞しました。
この賞は、公益財団法人日本デザイン振興会が主催する総合的なデザインの推奨制度で、 私たちの暮らしと産業、そして社会全体を豊かにする「よいデザイン」を顕彰するものです。
今回のグッドデザイン賞の審査では、「昔はそんな光景があったような気がする。食材を持ち寄って一緒につくり、なべを囲んで楽しい話をしながら食べて笑う。資本主義社会の仕組みは合理的なルールを作り上げ、経済も消費も当たり前のように私たちの生活をコントロールしている。しかし、楽しく生きるとは?豊かな時間の使い方とは?人との気持ちよい交わりとは?そんな疑問も同時に我々に降りかかってくる。このカレーキャラバンはその命題に対し、参加者と一緒に「カレーを作る」という一連の行為のなかから未来に向かう思考や方法を模索し、一緒に感じ、産み出そうという人とのつながり方である。失われつつあるコモン領域の重要性を思い起こさせてくれる。」という評価を受け、受賞となりました。
書籍情報:『つながるカレー:コミュニケーションを「味わう」場所をつくる』(フィルムアート社)
加藤文俊教授のコメント
“カレーキャラバン”は、2012年3月、木村健世さん、木村亜維子さんとともにはじめた活動です。出かけるたびにあたらしい発見や学びがあり、いまは月1回くらいのペースで楽しく活動を続けています。形のない、しかも「ゆるい」活動を評価していただき、メンバー一同、喜んでいます。「ゆるい」仕組みによって、まちの人びととの多様なかかわり方が生まれます。カレーにかぎらず、私たちのコミュニケーションのありようを考える上で、「食」が重要な役割を果たすことに、あらためて気づきました。