第7回「ビジネス書大賞」(主催:ビジネス書大賞実行委員会2016)において、総合政策学部 中室牧子准教授がビジネス書大賞準大賞を受賞しました。
「ビジネス書大賞」は、1 年間を代表するビジネス書を選出し、表彰する、日本初のビジネス書アワードで、「ビジネス書のプレゼンスをさらに大きなものとすることで、出版業界の活性化に貢献するとともに、日本のビジネスパーソンの成長、ひいては日本の産業界の発展に貢献する」ことを目的に、2009 年 10 月に創設されました。2010 年に第 1 回を開催し、以後年に 1 度、業界をあげての賞イベントとして実施されています。
今回の対象作品は2015 年 1 月から 2015 年 12 月刊行のビジネス書で、中室准教授の著書『「学力」の経済学』(2015年6月発行)は、「非常に難しい内容をていねいに説明し、同時に多くの人を刺激する文章になっている」「ビジネスのインフラであるところの教育が、何十年来まったく変わらないまま来ているという日本の現状に対して、大きな警鐘を鳴らしたという大きな意義がある」といった評価を受け、準大賞受賞となりました。
中室准教授のコメント
海外では、著名な経済学者が書いた一般書が広く読まれているのに対し、日本では研究者が書いた専門書や論文はとても広く読まれているとは言えませんでした。
特に、最近の経済学では、私たちの生活や経済活動にかかわる様々な新しい発見がなされているにもかかわらず、そうした研究成果はあまり人の目にふれることがないかわりに、真偽不明のインターネット上の情報が信じられ、人々の生活に浸透していることは、大きなマイナスとなっているのではないか、という印象を持っていました。
いつか「アカデミックでリーダブル」な本を書きたい。アメリカから帰国し、研究者に転身したころからそのように考え始めました。教育経済学の研究成果を専門用語を使うことなくまとめた本書は、発行部数20万部のベストセラーとなり、多くの方にお読みいただきました。この度ビジネス書大賞準大賞をいただいたことを大変嬉しく思っております。