~ビッグデータの利活用を見据え、データの多面的活用を図る基盤により、エビデンスベースのデータ活用型の農業を世界に先駆けて実現~
経験や勘に基づく高付加価値型農業を実現してきた我が国の特性を活かす、データ活用型の農業を、産官学が連携したデータ連携基盤により世界に先駆けて実現
1.背景
IoTやAIの社会の進展に伴い、データを活用したエビデンスベースの取り組みが着目されています。これまで我が国農業は、農業者の長年にわたる経験や勘により、様々なおいしい農産物を生み出してきましたが、高齢化の中で失われようとしているこれらの経験や勘を学ぶことは難しく、データの集積も進んでいない事からエビデンスベースのデータ活用型の農業、新たな農業ICTの取り組みが求められていました。
作物の生育状況や圃場の環境、そしてこれらの経験や勘をデータ化すれば、若い農業者などが早期に経験や勘を習得できるようになるほか、データを比較・分析することで農業者に様々な新たな気付きをもたらし、生産性の向上や経営の改善を可能にする事が見込まれます。我が国農業の強みを活かすためには、データ利活用は不可欠なのです。
このためには、多様な企業が、それぞれ様々なICTサービスを展開し、これらサービス毎に個別に完結している現状を乗り越え、ベンダーやメーカーの壁を越えて、異なるサービス・システム間の連携を実現するデータ連携基盤が必要です。
2.農業データ連携基盤(データプラットフォーム)の構築
前述の状況を踏まえ、ビッグデータ時代の新たなエビデンスベースのデータ活用型農業を世界に先駆けて推進するための「農業データ連携基盤(データプラットフォーム)」を構築します。
(1)農業データ連携基盤(データプラットフォーム)を立ち上げデータ活用型の農業を展開するために、このたび、ICTベンダー、農業機械メーカー、研究機関、農業者及び農業者団体等の農業分野に関係する多様な主体が参画したコンソーシアムを設立します。
(2)農業データ連携基盤は、パブリッククラウド上に構築し、ベンダーやメーカーの壁を超えて異なるシステム間のデータ連携を可能にするほか、公的機関などが有する様々な農業関連情報、公的研究機関等が有する多様な研究成果に関するデータ等をプラットフォーム上に集約し、オープンデータ、あるいは有償データとして提供可能とします。
(3)2017年中を目処に、主に農業生産現場を主目標とする、「農業データ連携基盤」のプロトタイプの運用を開始します。このプロトタイプ版を活用し、農業者や農業者団体等の多様な参加主体が、システムの連携やデータ活用などをモデル的に進め、エビデンスベースのデータ活用型農業の有効性を検証し、農業者への新たなサービスの提供等につなげていく予定です。
(4)今後、生産現場での利活用に加え、流通から消費まで連携の取組を拡げ、広く様々な主体の参画を進め、関係者との連携を深めつつ、取組を展開することとしています。
農業データ連携基盤(データプラットフォーム)の詳細はこちらをご覧ください。
※ 本プレスリリースは、内閣府、農林水産省及び農業データ連携基盤(データプラットフォーム)参画機関が共同で発表しています。
【本発表資料のお問い合わせ先】
慶應義塾大学環境情報学部 神成淳司研究室
kaminari-core@sfc.keio.ac.jp
【配信元】
慶應義塾大学湘南藤沢事務室学術研究支援担当
kri-pr@sfc.keio.ac.jp
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