川島英之環境情報学部准教授、政策・メディア研究科坂村美奈さん(後期博士課程)が一般社団法人情報処理学会主催2018年度山下記念研究賞を受賞しました。
山下記念研究賞は,情報処理学会の研究会および研究会主催シンポジウムにおける研究発表のうちから特に優秀な論文に贈られる賞であり、2018年度は40研究会から推薦された計57編の優れた論文に対し,授与されました。3月15日に福岡大学で開催された第81回全国大会の席上で表彰、授与が行われました。
川島准教授は「RDMAの適用によるRAMPトランザクション処理の高速化」と題した論文で提案手法が高い効果を示しており、論文の構成も優れている点が評価されました。
坂村美奈さんの論文「Lokemon:その場に潜むモンスターを介した参加型センシング手法」は参加型センシングにおいて,プライバシ保護や参加者の動機付け,発信内容の品質の担保といった課題を同時に解決することを目指した取り組みで、極めて新規性,有用性の高い新たな情報発信モデルを提案し、ユビキタスコンピューティング分野に有益な知見をもたらした点が評価されました。
川島准教授コメント
このたび山下記念研究賞を受賞し、誠に嬉しく思います。銀行のATMやクレジットカードからファイルシステム奥底でのメタデータ更新まで、様々な状況でデータベースの一貫性を担保する技術がトランザクション処理です。これを複数台のマシンを用いて高性能かつ頑健にする技術が分散トランザクション処理です。私の研究では remote direct memory access という高速通信技法を用いて分散トランザクション処理を高速化しました。データ量が莫大な現在、トランザクションを含めたデータシステム技術は一層重要になっています。今後とも学生と共にデータシステム研究を推進することで各種のビッグアプリケーションを効率化・堅牢化し、社会に貢献したく思います。
坂村さんコメント
2018年度山下記念研究賞を頂けたこと、誠に光栄に存じます。本研究は、過去に世界最高峰の国際会議や国内会議においてもアイディアの新規性や実現可能性が評価されました(関連記事)。その後、実験を通して有効性を評価し、まとめた論文をこの度評価して頂きました。実験の結果からは、その場からの投稿数の増減に関する知見だけでなく、オンラインコミュニケーションの新たな形を発見することが出来ました。今後は、異なる文化や思想を持つ人々を対象に、より広範囲の場で実験を重ねることが目標です。今回の受賞にあたり、日頃よりご指導して頂いた研究室の皆様と実験にご協力頂いた皆様に心より感謝申し上げます。
発信者:湘南藤沢事務室 総務担当