第25回Campus Genius Contestにて、11月26日(火)にアート部門の審査員による最終審査会が開催され、330作品の応募の中から石原航さん(政策・メディア研究科修士2年)の作品『Masquerade』が審査員賞(筧審査員賞)を受賞しました。
2020年2月1日、2日に表彰式、受賞作品の展示、トークイベントなどが日本科学未来館(予定)にて行われます。
Campus Genius Contestは、1995年にスタートし、2011年にCGを"Computer Graphics"から"Campus Genius"へと読み替え開催されています。学生を対象に、映像、アニメーション、MV、グラフィック、インスタレーション、インタラクティブアート、ゲーム、アプリケーション、ガジェット、パフォーマンス、ウェブなど、新しいメディアやテクノロジーを用いて作られたあらゆる作品を「アート部門」「エンターテインメント部門」の2部門で審査します。
第25回の作品募集においても、ジャンルは一切不問、テーマも自由。チャレンジ精神やメッセージ性、表現に相応しいメディアやテクノロジーを用いているか、ユニークさが審査基準となっています。
石原さんの作品『Masquerade』は、自分の世界を表現したナイーブな作品が多い中で、今の社会問題の文脈を的確に読み取り、ロジカルでかつ奇抜な提案を、未来に向けて行っている点、そして未来の思索にとどまらず実際に社会に実装されていく様が垣間見えた点が評価され、受賞に至りました。
石原 航さんコメント
僕らの個人情報はGAFAをはじめとした巨大テック企業に収集され、それを元に僕らの人格が解析されていきます。しかし、収集される情報に偽の個人情報を大量に混ぜることができれば、本当の人格データを外れ値にすることができるかもしれません。
そんな仮説から「実際に偽の個人情報をGoogleに送り続けるサービスをつくってみよう」と思い立って制作した作品が「Masquerade」です。アルゴリズムという新しい目に対してデータとしての僕らは裸も同然で、こうしたサービスを通して、デジタルパーソナリティにおける服のようなものをつくることができればと考えています。
また、毎年映像作品が受賞するアワードの中で、問題提起型のサービスとして作品を評価してもらえるか少し不安だったのですが、無事に受賞できてよかったです。
今後も未来を思索するための作品として、奇妙なサービスを作り続けていきたいと思いますので、もしよければ使ってみてください。
・プロフィール
石原航
1995年生まれ。慶應義塾大学政策メディア研究科に在籍中。信用や分人をテーマに様々な作品、システムを制作しながら、超信用社会におけるデジタルコミュニティの可能性を模索、研究している。
主な作品に「他人のアカウントにログインできるSNS Hack In」や「虚構大学 Speculative Fake College」など。
Ars Electronica 2019 Future Innovatorに選出、WIRED Creative Hack Award 2018特別賞受賞、CGC Award 2018 ノミネート 2019審査員特別賞受賞など。
発信元:湘南藤沢事務室総務担当