田中浩也研究室の大日方 伸さん(政メ修2)・木下 里奈さん(環3)・髙森 竜馬さん(2020年総卒)が、第21回 CSデザイン賞 学生部門で金賞を受賞
環境情報学部教授田中浩也研究室の大日方 伸さん(大学院政策・メディア研究科修士2年、写真1枚目中央)・木下 里奈さん(環境情報学部3年、写真1枚目左)・髙盛 竜馬さん(2020年9月総合政策学部卒業、写真1枚目右)が、第21回 CSデザイン賞 学生部門で金賞を受賞しました。
CSデザイン賞は、株式会社中川ケミカル主催の「カッティングシート®」のデザインアワードで、「Cutting Sheet」の頭文字が賞の名称になっています。今回の第21回で38年目を数え、現在では2年に1度の「ビエンナーレ方式」にて開催されています。適切で、創造性に優れたデザインを社会で共有する活動を促進することを目的に始まり、1982年の第1回CSデザイン賞以来、多くのデザイナー・建築家の下で開催されてきました。
CSデザイン賞学生部門では、毎回カッティングシートの使用を前提としたデザイン提案が募集されますが、今回は東京都港区青山にある複合文化施設「スパイラル」 のガラス面へのデザイン提案が課題となりました。
この課題に対して、大日方さん・木下さん・高盛さんが制作した「光の年輪」が、応募総数194作品の中から金賞に選ばれました。「光の年輪」は、35周年を迎えるスパイラルが歩んだ35年の歴史を"年輪"として表現したもので 、カッティングシートという素材やスパイラルという場所が持つ魅力を強く引き出した点が評価され、実際の施設にも施工されました。
大日方 伸さん(政メ修2)コメント
スパイラルはSFCのキャンパスを設計した槇文彦さんの代表的な建築物で、これまで何度も訪れていました。とにかく建物が美しいので、その魅力を壊さずに寄り添うようなデザインを心がけました。年輪の形は、スパイラルの年表(一年ごとの企画の数)を元に統計の数式を使ってビジュアライズしたもの。スパイラルの歴史の重みを直球で伝えたくて。たまたまSFCの授業で統計を履修していて、それがそのままデザインにつながったというのがSFCらしくて面白いですよね。空間デザインを専門で学んでいるわけではないのですが、SFCで培ってきた3Dプリントの技術や統計の知識がこうやってデザインに結実し、素晴らしい賞をいただけたことが嬉しいです。
田中浩也環境情報学部教授 コメント
2020年度は新型コロナウィルスの影響で大学キャンパスに入ることができなくなり、「工房(アトリエ)型教育研究」を核としてきた、デザインやアート(中でも物理的な「もの」を制作する活動が中心の)研究室は大打撃を受けました。
しかし、そのような中でも、田中浩也研究室では学生ひとりひとりが自宅に3Dプリンタを整備し、それらをネットワークで繋ぎ合わせることで、なんとか分散型ラボ環境を整備してきました。
そのうえで、今回受賞したColorFabチームは、リモートコラボレーションであっても、アイディアの質やプロダクトの質を高める方法をいち早く編み出し、粘り強く実践を続けていました。
コロナ禍にあっても深く美しい作品をコツコツとつくりあげ、熱量をもって新作を発表してきたその姿勢は、これからの未来に繋がる模範的なものだと思います。SFC30周年の記念の年に、このような活動が行われたことには、偶然を超えた何か示唆的なものを感じます。
これまでお世話になった方々、評価していただいた方々に感謝しつつ、未来を照らす新しいものづくりの活動をより一層加速していきたいと思います。
関連リンク
「3Dプリントの発想でカッティングシートを重ねた「光の年輪」:CSデザイン賞受賞者インタビュー」(デザイン情報サイトJDN)
「中川ケミカルの歩みと第21回CSデザイン賞の記録」動画公開のご案内(株式会社中川ケミカルウェブサイト)
発信者:湘南藤沢事務室 総務担当